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Dev Mode MCPサーバーと人が共創する新時代の開発プロセス

渋谷サクラステージ 28FのSansan本社にて

SansanではDev Mode MCPサーバーとCode Connectの活用により、デザインから実装までのプロセスが大きく変革。人とAIが協働し、新たな開発フェーズが動き出しています。

『AIファースト』を掲げSansanが挑んだMCP導入

Figmaが提供する「Dev Mode MCP(Model Context Protocol)サーバー」は、デザインと開発をより密接に結びつけ、AIを活用した新たな開発体験を可能にする仕組みです。ビジネスデータベース「Sansan」をきっかけにプレゼンスを強めたSansanは、今や「ビジネスインフラになる」というビジョンのもと、経理DXサービス「Bill One」や取引管理サービス「Contract One」など幅広いサービスを展開。中でもContract One開発チームは、Dev Mode MCPサーバーとCode Connectを併用することで、デザインから実装までの流れを革新し、AIと人が協調する次世代の開発フェーズをスタートさせています。

SansanがFigmaを使い始めたのは2019年頃。まずはプロダクトデザイナーを中心に導入が進み、その後はエンジニア、営業、カスタマーサクセスなど幅広い部門に活用が広がりました。プロトタイプを顧客に提示して将来の機能構想を伝えたり、各部門がフィードバックを寄せ合ったりと、Figmaは社内外をつなぐ共通基盤として定着。デザインシステムの整備も進み、SansanにとってFigmaは誰もが親しみやすい存在となっていました。

Sansanのデザインシステムはこちら https://ui.one-design-system.sansan.com/?path=/docs/one-ui-component-library--docs

Contract One Engineering Unit 部長の大島 武徳氏はこう振り返ります。「営業やカスタマーサクセスまで含めて多様なメンバーが同じプラットフォーム上でやりとりできる。自然に“ここに集約すればいい”という文化ができていきました」

そのうえで、Sansanは2025年の全社方針に『AIファースト』を掲げ、AI活用を全社的に加速させる方針を打ち出しました。Contract Oneチームではその象徴として『LLM Week』を企画し、人間によるコーディングをいったん止め、すべてをAIに任せる挑戦に踏み切ります。

インタビューに答える大島氏

大島氏「全員が一度“AIでやりきる”体験を持つことが重要だと考えました。成功も失敗も含めて体感することで、次の議論ができると思ったんです」

ただし、この取り組みは今までにないチャレンジであり、フロントエンド開発が停滞するリスクもありました。その対策を担ったのが、Contract One Dev グループの井上 丈士氏です。「LLM Weekに間に合わせるため、どうすれば効率的にAIを使えるかを急いで探しました。そのときローンチ直後だったのがDev Mode MCPサーバーです。コミュニティにもまだ情報がなく、手がかりはFigmaの公式サイトくらい。試行錯誤しながらプロンプトを調整し、ようやく実用に耐えられる形にできました」

インタビューに答える井上氏

大島氏は、Dev Mode MCPサーバーを採用した背景についてこう語ります。「LLM Weekはまずやってみて、その結果を見て考えようという思想がベースにありました。厳密に取捨選択をするというより、できそうなものはどんどん試す。その中で、すでに社内でFigmaは利用可能な環境にありましたし、契約書を扱うサービスの性質上、使えるAIは限られています。つまりDev Mode MCPサーバーは、当社にとって身近で導入しやすかったんです」

こうしてSansanは、Dev Mode MCPサーバーをいち早く取り入れ、Code Connectとの組み合わせによって、デザインと実装の間にある乖離を埋めつつ、AIを開発プロセスに本格導入する道を切り開いていきました。

新機能開発を加速させたMCP活用のリアル

Contract Oneチームは、まず新機能開発の現場で試行を重ねていきました。井上氏は当時をこう語ります。

「Code Connectはコードをたたくだけでひな形ができあがるのが便利です。ただ、デザインシステムがそれほど成熟しているわけではないので、FigmaのデザインとReactのコンポーネント実装の間に乖離がありました。その部分を少しずつ埋めていくタスクは必要でしたね。ただ、もともとデザインシステムがあった分、導入自体はスムーズに進められたと感じています」

Dev Mode MCPサーバーでの開発をリードした井上氏

実際の開発では、Contract Oneの新規画面づくりに積極的に活用。2025年8月にリリースされた『企業別AI契約サマリー』機能も、Dev Mode MCPサーバーを使って実装が進められたといいます。井上氏「Figmaでつくりたいコンポーネントをセレクトして、こちらで用意したプロンプトを投げれば、ある程度の画面があっという間にできあがる。完璧な状態ではありませんが、大枠がすぐに形になるだけで工数は大きく削減できます」

もちろん効果的に使うための工夫も欠かせません。井上氏「うまく使うポイントは、一度に全部やらせないことですね。まずはFigmaのURLを渡して全体像を理解させ、次の段階でコンポーネントを分割させるといったワークフローで段階的に指示を投げるようにしています。CSSの書き方も、社内の定義を例として提示し、AIが理解しやすいようにプロンプトを調整します。やってみてうまくいったときは気持ちいいですね」

試行錯誤を経て積み重ねたノウハウが、Dev Mode MCPサーバーをSansanの開発現場で“使えるツール”へと育て上げていったのです。

高速PDCAで磨かれるSansan流の開発スタイル

Contract Oneでの実践をきっかけに、Dev Mode MCPサーバーはSansan内で一気に広がっていきました。大島氏はその様子をこう振り返ります。

「Dev Mode MCPサーバーはContract Oneだけのものではなく、ほかの部門でも“これは使えそうだ”という動きにつながりました。8月にはアカウントが足りなくなるほど利用が増え、すぐに追加を決めたほどです。設計段階からFigmaを使うチームも出てきて、社内でのスタンダードになりつつありますね」

Contract One開発チームの大島氏と井上氏

情報がFigmaに集約されているプロジェクトでは、その効果がより顕著だったといいます。「すべての情報がFigmaに揃っている状態であれば、開発はかなりスピードアップできます。既存プロジェクトでは条件が違うので単純比較はできませんが、新規開発なら作業時間を半分程度にできるイメージです。人間にもAIにも見やすいデータ構造になっていることが、効率化につながっていると感じます。LLM Weekでは、プルリクの8割がAI由来という結果になりましたが、工数削減の観点ではまだ課題が多い。部分的には効果が出ているものの、全体プロセスで見るとまだまだ改善の余地があります」

井上氏も同様に、冷静に成果を分析しています。「LLM Weekでは、むしろ生産性が下がってしまった指標もあり、AIが力を発揮する領域とそうでない領域をきちんと見極めることが重要だと実感しています。だからこそ、成功や失敗を含めて知見を共有することが欠かせません。ただ実装スピードは確かに上がっていますし、ほかのチームのメンバーからも“あれは便利だよね”という反応も多いです。例えばスプリントレビュー後に修正が入ることはよくありますが、修正済みのFigmaを渡してもらえればすぐに反映できます。最初からパーフェクトなものを一度に出すのではなく、少しずつ改善していく流れに向いている。ユーザーの反応を見ながら、納得のいくまでデザインを作り込めるのは大きなメリットです」

大島氏「リリースと改善を繰り返すContract Oneの現在のフェーズに、Dev Mode MCPサーバーは非常に合っています。特にAI機能はまだ模索段階ですが、MCPを使うことでPDCAを高速に回せる。それが何よりの強みだと感じています」

井上氏「Contract Oneは法務だけでなく、他のバックオフィスや営業まで幅広い人に使ってもらえるプロダクト。だからこそUIはもっとわかりやすく、使いやすくしていきたい。そこにスピード感をもって変化に対応できるDev Mode MCPサーバーを活用しようと考えています。そのためにも、Code Connectの完成度をさらに上げていきたいですね」

人とAIが協調する新たな開発フェーズへ

大島氏は、UI開発にとどまらずプロセス全体にAI活用を広げていく構想を描いています。「UIも一つのコンポーネントと考えれば、プログラムのコンポーネントと同じように扱えるはずです。そうすれば開発プロセス全体が一気に速くなる。人がFigma上で議論し、AIが実装する。そんな分担が実現できれば、エンジニアにとってもっと面白い世界になると思います。そのための課題として、“暗黙知”をいかに言語化していくかが鍵です。誰が見ても同じ答えになる部分はAIに任せられますが、人によって解釈が分かれるものはAIに任せるとブレてしまう。2つの間にある意識していない部分をクリアにできれば、AIの活用範囲はさらに広がるでしょう」

談笑する大島氏と井上氏

Sansan全体は今、既存の延長線を超えた“非連続な成長”を目指すフェーズにあります。

大島氏「Contract Oneも、既存の延長ではない成長に挑んでいます。だからこそ、開発スピードを一気に上げる必要がある。Figmaで設計から実装まで一気通貫で進めるワークフローは、その突破口になると考えています。人とAIが協調して進める体制をつくれれば、Dev Mode MCPサーバーはまさにその中心を担うツールになり得るでしょう。さらに磨き込めば、トヨタの『自働化』のように、人は判断と創造に集中し、機械はオペレーションを担う。そんな“みんなが幸せ”な開発に近づけるはずです」

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