NIOがFigmaを活用して迅速に革新と成果を実現した方法
自動車業界では、物事が必ずしも迅速に進むわけではありません。車の設計からリリースまでに3〜5年のサイクルが定着している業界です。ソフトウェアをハードウェアに深く組み込む必要があるため、車載ディスプレイのUX設計が、その車が市場に出る何年も前に完了することは珍しくありません。
しかし、新規参入者はもっと迅速に動きたいと考えています。中国の自動車メーカーNIOが、新しいサブブランドfireflyの新たなビジュアルアイデンティティを必要とした際、同社は革新と反復と納品を迅速に実現できる代理店と協働したいと考えました。そして、それにふさわしいパートナーとして、デザインエージェンシーforpeopleを見出しました。
ロンドンとアムステルダムに拠点を置くforpeopleは、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、空間デザイン、インタラクションデザインをはじめ、モーション、コピーライティング、リサーチ、戦略など様々な専門性を有しています。ユーザーに焦点を当て、よりシームレスな体験を追求するという、市場における独自の視点を確立したいと考えていたNIOにとって、forpeopleは理想的なパートナーでした。
課題は、ユーザー体験全体を通じて印象的で意味があり、一貫したブランドと視覚的なアイデンティティシステムを作り出すことでした。しかし、forpeopleは、ミュンヘンと中国のNIOデザインリーダーとの緊密な連携と継続的なフィードバックループが鍵となることを承知していました。そのために選んだのが、Figmaでした。

forpeopleのクリエイティブディレクター、James Addison氏は次のように述べています。「代理店がクライアントと協業してきた歴史を振り返ると、大半は従来のスライドデッキに依存していました。つまり、ファイルを共有し、静的なドキュメントを見ながら、次のスライドに進むようクライアントに指示していたのです。しかし、大量のビジュアル制作やインタラクティブなプロトタイプが必要で、スピードを重視する革新的なクライアントを相手にする場合、それだけでは不十分でした。そこで必要になったのがFigmaです。Figmaはあっという間に私たちのクリエイティブハブとなり、パートナーシップの要であるコラボレーションの核となりました」
輝く自由をアイデンティティに
新しいビジュアルアイデンティティシステムの構築は、徹底的で詳細なプロセスです。NIOの新しい自動車ブランドのために、forpeopleはホタルの動き方、発光方法や、関わる環境からインスピレーションを得ました。
NIOのブランド体験デザインおよび戦略ディレクターを務める、Marius Holletzek氏は次のように述べています。
「ブランドが車そのものから切り離せないと感じられるように、後付けではなく、車の中に息づく何かとして感じられるようにしたいと考えました。車のデザイン言語とホタルの魔法に触発されて、私たちのクリエイティブディレクション『輝く自由』は、タイポグラフィや色から、ブランドの動きや語り方に至るまで、あらゆる細部に輝く個性の精神を捉えています。これらすべてが、アイデアを形にして共有するプラットフォームとして選択した、Figmaで構想されました」

このような始まりから、forpeopleはロゴの作成に着手しました。Addison氏は次のように言います。「ロゴには数多くのアイデアとバリエーションを検討し、ここで迅速なコラボレーションの必要性が浮上しました。これはクライアントに送ってフィードバックを待つようなプロジェクトではありません。各ロゴに対して複数回のイテレーションと多数のコメントが発生し、メールで延々とPDFを送るだけでは実現できない、常時利用できるフィードバックループが必要でした」
forpeopleはFigmaを活用し、プロジェクトのあらゆる側面を包括する単一の共同ハブを作成しました。これによりミュンヘンのNIOデザインチームはコメントを付与でき、forpeopleチームはデザインを迅速に進めることが可能になりました。
forpeopleのチームは、静的なロゴからモーションを開発しました。Addison氏は次のように言います。「車内には2つのスクリーンがあり、NIOと協議した結果、視覚要素が一方のスクリーンからもう一方へ移動できるようにすることにしました。2つの空間を移動するホタルの球体をコンセプトに考案しました。スクリーン間をひらひらと飛び回り、きらめきながら移動するこの視覚体験は、ユーザーを楽しませ、シームレスなデジタルエクスペリエンスを創出することを目的としています」
これらのコンセプトデザインの一部は、forpeopleチームがFigmaに追加したMP4ファイルで、一部はFigma自体で構築されました。
「まず、インターフェース自体の挙動や、車内でブランドがどのように息づくかを実験することから始めました。Figmaを使用して、文字がどのように動くか、ホタルの明滅が穏やかな警告にどう変換されるか、そしてイノベーションが確固たるものでありながら、魂のこもったものにも感じられる方法を模索しました。こうした初期のプロトタイプを通じて、上海のNIOチームが基盤として発展させ、独自のものとする方向性を形作りました。まさにグローバルな取り組みでした」と、Addison氏は語っています。
しかし、このような方法で作業した最大の成果の1つは、forpeopleがNIOのステークホルダーと築いた親密な連帯関係です。両チームともFigmaキャンバスを中心的な場と見なし、そこでアイデアをブレインストーミングして実行に移し、それぞれの組織内のステークホルダーからフィードバックを集めました。
Holletzek氏は次のように言います。「当社は迅速に動く組織です。Figmaを使用したforpeopleとのコラボレーションで、効率は劇的に改善されました。大量のプレゼンテーションを見るのは避けたい。Figmaなら単一の信頼できる情報源を維持でき、フィードバックループもファイル内に留まるのです」
共同作業の大部分は、英国とドイツのオフィスからそれぞれ作業するforpeopleとNIOのチームによって行われますが、デザインを視覚化する方法の興味深い一例が、ミュンヘンにあるNIOデザインセンターから生まれています。

そこにはNIOの7メートル幅の「パワーウォール」シアターがあります。通常は、NIOのデザインおよびエンジニアリングチームが実物大の車両レビューを行うためのインタラクティブスクリーンとして使用され、シネマレベルの品質で仮想SUVを評価・分析します。しかし同時に、Figmaファイルの完璧なプレゼンテーションツールでもあります。
「Figmaはもちろんリモートコラボレーション向けに設計されています。しかし、当社のパワーウォールに導入することで、対面での作業がさらに効果的になります。パワーウォールは巨大な共有キャンバスとなり、チームが集まり、機会をいち早く発見し、アイデアをアクションに変えることができるのです。一緒に、同じ部屋で」と、NIOのクリエイティブリードを務める、Daniel Wegmann氏は述べています。
NIOのスピードへの追及が、自動車デザインのリズムを再編成しました。forpeopleとFigmaとともに、チームは複雑さを切り抜け、アイデアをリアルタイムで創出し、検証し、洗練させました。その結果、大胆な新しいアイデンティティが生まれました。そして、速さと集中を兼ね備えたコラボレーションが、デザインが野心に追いつくためのモデルとなる、新たな基準をもたらしました。
Figmaを活用してデザインの規模を拡大するには
優れたデザインは、製品やブランドを差別化する可能性を秘めています。しかし、偉大なものは一人では作れません。Figmaは、製品チームを迅速かつ包括的なデザインワークフローで結びつけます。
企業がFigmaを活用してデザインの規模を拡大する方法の詳細については、当社までお問合せください。
Figmaの主な特長:
- デザインのアイデア出しから、作成、構築までデザインプロセスにおけるすべてのステップを1カ所に集約
- 全社共有のデザインシステムでデザインワークフローを加速
- Webベースでアクセスしやすく、使い勝手に優れた製品で、製品チームのプロセスにおける包括性を促進