Amadeus - 形式にとらわれない構造化アプローチで旅行体験を向上
数百万人が利用するデジタルソリューションの構築を担当する場合、創造性と構造化は表裏一体です。AmadeusでプリンシパルUXデザイナーを務めるAlice Boissonnat氏はそう考え、過去数年間にわたって取り組んできました。
Amadeusは、企業や消費者がトラベルエコシステムに接続できるよう支援する、大手トラベルテクノロジー企業です。航空会社や空港、ホテル、鉄道、検索エンジン、旅行代理店、ツアーオペレーター、その他の旅行関連企業の業務を支援するソリューションを提供し、世界中で年間数十億件もの旅の体験を向上させています。

Boissonnat氏は、数年前にAmadeusに入社して以来、Traveler IDというプロジェクトに取り組んできました。これは、旅行者の出発前に渡航文書をデジタル化して確認し、空港での時間を節約できるようにするものです。このプロジェクトには、UX、営業、製品管理、エンジニアリングなどの部門から約50人の専門家が3大陸にまたがって参加しており、Amadeusのビジネスインキュベーターとアクセラレーターの一環となっています。これがNexwaveで、今日と明日の旅行体験に変革をもたらすビジネスアイデアを見いだし、成長させています。それには、創造性と組織が必要です。
「デザイナーであるということは、ユーザーの問題を解決する革新的なアイデアを見つける喜び、内省、解放、そして自由に考える時間が持てることを意味します」と、Boissonnat氏は言います。「しかし同時に、コラボレーターを巻き込み、話を聞き、非常に不明瞭なコンセプトを具体的で有効な解決策に変えて構造化し、詳細を作り込むということでもあります」
Boissonnat氏は、これら2つの概念を「形式にとらわれない構造化デザイン」と呼び、これらがデザインプロセスで共存すべきであると考えています。形式にとらわれないことでアイデアの創出を促す一方、構造化デザインで厳密さ、正確さ、デリバリーに重点を置きます。
FigmaとFigJamは、両方の概念において非常に重要です。では、どのように実現しているのでしょうか。
よりオープンなデザインプロセスの形成
Amadeus社内のさまざまなチームがFigmaの使用を開始し、最近ではFigJamも使い始めています。よりアクセスしやすく、オープンなデザインプロセスを見つけるため、作業の進め方を適応させる必要があることに気付いたためです。それまで使用していたツールでは、製品管理や開発の関係者、製品オーナーがディスカバリーフェーズで連携することが困難だったため、非同期と同期両方のフィードバックを最適化する必要がありました。
「関係者とクライアント、チームを集めて作業する必要がありますが、同じ部屋に集まり、物理的なホワイトボードで共同作業をするのは簡単ではありません」と、Amadeus Traveler IDの製品責任者、David Trastour氏は言います。「Figmaは製品の構築に役立ちますが、FigJamはより使いやすい環境を提供してくれます。アクセスしやすいオープンな環境で、誰でも快適に参加でき、楽しさも感じることができます」
自由であることはクリエイティブなプロセスに不可欠であり、特にコンセプトフェーズでは自由なデザインのアプローチが有効であると、Trastour氏は言います。
FigJamがサポートする「制約のない創造性」
すべてが構造化され、すべてがデザインシステムを順守していることに伴う問題の1つは、イノベーションのペースが鈍る可能性があることです。「デザインシステムは当然ながら絶対不可欠ですが、創造性の妨げとなる場合があります」と、Boissonnat氏は言います。
だからこそ、Amadeusでは自由なアプローチが重要性を増しています。この環境における唯一のルールは、「フィードバックに耳を傾ける」ことです。
「Amadeus内部のさまざまなUXチームから話を聞いて、ユーザーが抱える問題はそれぞれ異なり、従うべき正式なデザインプロセスもルールもないことに気付きました」と、Boissonnat氏は述べています。「私たちは、ユーザーとお客様、そして製品チーム、デザインチーム、エンジニアリングチームから聞いた話に基づいて対応します。そしてこの段階で予測することやデザインシステムに従うことは、制限になる可能性があります」
Boissonnat氏のチームは、FigJamとFigmaを組み合わせることで、制約のない創造性をサポートできると考えています。「FigJamでは、簡単な図や長方形などを使ってアイデアを表現でき、デザイナーではない人にも分かりやすくなっています。そしてFigmaの高度な機能を活用して、経験豊富な製品デザイナーが創造力を発揮できます」

「限界を広げるためにコンポーネントを切り離す必要がある場合、カラーバリアブルではなく、スポイトツールを使用したり、紙に描いてイラストとして取り込んだりします。思いのままです」
このプロセスの一環として、Boissonnat氏はコラボレーターが全員の考えの進展を簡単に把握できるようにするため、FigJamファイルの「発散」領域を試験的に利用しています。全員がそれぞれのアイデアを出したら、共同で1つのソリューションにまとめて検証します。チームメンバーは複数の国とタイムゾーンにまたがっているため、このプロセスでは非同期のフィードバックが非常に重要となります。
チームメンバーは、コメントや付箋がコミュニケーションの主要な形態ではあるものの、音声メモやLoom動画を活用しており、さらにチームはフィードバックを分類するシステムを利用して、より明確にしています。付箋は「知りたいこと」、「役立つ情報」、「研究課題」、「賛成」、「反対」といったラベルが付けられており、受け手がコメントの重要性、妥当性、緊急性を明確に把握できるようになっています。

「デザインシステムに依存せず、必ずしもすべてのルールに従わなくてもよい、より自由なアプローチがあることで、コンセプトフェーズが迅速化され、フィードバックメカニズムで全員の意思統一ができています」と、Boissonnat氏は言います。「FigJamとFigmaを使用することで、アイデア創出フェーズでの発散・収束の回数を半減させることができました」
Figmaで信頼できる唯一の情報源を確立する
コンセプトが完成に近づいたら、当然、構造を追加していく必要があります。
「建築許可証付きの家の設計図があるようなものです」と、Boissonnat氏は言います。「家を建てるときに構造規則を守らないと、家は壊れてしまいます」
Figmaでは、製品ファイルがバージョンごとに構造化されており、それが「信頼できる情報源」と見なされています。
「これらファイルの構造は、主に当社のデザインシステムであるAmadeus Design Factoryを使用することで、開発者の実際の使用方法にできるだけ近づける必要があります。デザイントークンからより構造化されたコンポーネントまで、同じアーキテクチャと命名規則を使用するようにしながらです」とBoissonnat氏は語っています。
「Figmaを導入し、アトミックデザインを極限まで実践することで、デザインシステムのコンポーネント以上のものを実現できました。デザイントークンからテンプレート、ページまで、すべてがコンポーネントです。製品ファイルの各画面がメインコンポーネントであり、ユーザーフローやプロトタイプ、マーケティング用プレゼンテーションのどれを描いたものであっても、表現のすべてがインスタンスです」

この組織では、トークンからページまで、何も切り離してはならないために厳密さが非常に求められますが、一旦採用されて理解されると、驚くほど多くの時間を節約できることにチームは気付きました。「Figmaによってチームのデザイン修正は10倍速くなりました」と、Boissonnat氏は見積もっています。
その理由のひとつは、Figmaを使う前は、デザイナーがお互いの仕事を上書きしないようにするために何時間も費やしていたことです。「Figmaの導入によって、私たちの日常はずっと楽になりました」と、Amadeus Nexwaveポートフォリオのもう1つのプロジェクトであるAmadeus DiscoverのUXデザイナー、Maeva Cecchi氏は言います。「私たちの国際的なチームは、強力なコンポーネント、コメント、円滑なオンラインファイル機能を使用して、同じ画面上で隣り合って作業できます」
3倍速くなったアイデア創出
Boissonnat氏によると、形式にとらわれない構造化デザインへのアプローチは効果をもたらしています。ディスカバリーフェーズでは、コラボレーションが増加し、意思統一が迅速化されています。「内部ツールを利用して、FigmaとFigJamを活用することで、アイデア創出が3倍速くなりました。発散・収束も短くなり(2日)、その頻度も減少(平均2回)しています」と同氏は語っています。
仕様の面では、Boissonnat氏のチームがHiFiデザインに変更を加える場合、100%コンポーネント構造化アプローチでは、10倍速くなる見込みです。ユーザーフローやプロトタイプ、マーケティング用資料の変更は1分もかからずに完了します。
しかし、やはり新しいツールの効果を判断する最善の方法の1つは、使用する人々に尋ねることです。「社内調査を実施したところ、最初のFigmaユーザーのネットプロモータースコア(NPS)は100近くでした。これは、Amadeusで使用している他の同類のツールをはるかに上回っています」と、Boissonnat氏は語っています。
The Total Economic Impact of Figma (Figmaによる総経済効果)
Forrester社発行のこのレポートでは、ワークフローの効率化やデザインスタックの統合、優れた製品の開発におけるFigma活用事例が紹介されています。
Figmaを活用してデザインを拡張させる
優れたデザインは、製品やブランドを差別化するために欠かせません。しかし、優れたものは一人では作れません。Figmaは、製品チーム全体で迅速、包括的にデザインするためのワークフローを実現します。
Figmaを活用したデザイン拡張について、お問い合わせください。
Figmaの主な特長:
- アイデア出しから制作、デザイン構築まで、デザインプロセスのすべてのステップを1か所に集約可能
- デザインワークフローを加速させる、全社共有のデザインシステム
- 製品チームのプロセスにおけるインクルージョンを促進する、ウェブベースでアクセシビリティとユーザビリティの高い製品群