ハイブリッドワークの世界では、コミュニケーションの手段が豊富であるが故に、会話やアイデアをアクションに移すのが難しいと感じることがあります。特に難しいのがフィードバックです。そこで、フィードバックの受け渡しを改善する方法を、このガイドにまとめました。
フィードバックは贈り物: Figmaのフィードバックギフトガイドのご紹介を共有
フィードバックはギフトだとよく言われます。そして、他のギフトと同じように、喜んでもらうにはフィードバックも機会と関係性に応じたものでなければなりません。チーム文化はどの程度協力的か? プロジェクトに対するフィードバックはどの程度緊急を要するか? チームメイトはどのタイムゾーンにいるか? たとえ意図が素晴らしくても、フィードバックの受け渡しに相手への配慮がなければ、フィードバックはゴミ箱に捨てられ、仕事上の関係に負担をかけ、プロジェクトを終わりのない行き違いのスパイラルに巻き込んでしまう可能性があります。でも心配はいりません。このフィードバックギフトガイドは、適切なフィードバック方法をまとめています。このギフトガイドを活用して、フィードバックを通してチームのベストを引き出しましょう。
適切なタイミングで伝える
フィードバックをいつ提供するかは、フィードバックの内容と同じくらい重要です
すべてのギフトには贈るべき時期があります。フィードバックも内容と同じくらい、いつ与えるかが重要です。企業、デザインチーム、プロジェクト、そして個人(実はここが最も重要)が抱える制約とタイムラインはそれぞれ異なります。フィードバックは、最も建設的かつ好意的に受け止められるタイミングで伝えることが重要なのです。

段階ごとに適したフィードバックを引き出す
コンセプトを考える初期段階で、ある方向性を完全に否定したり、いきなりディテールの色を選択しまうことがよくあります。私たちの脳が空白を埋めようとするからです。しかし、デザインとは合理的なプロセスです。プロジェクトの各ステップの背後にある意図について考えることで、各過程でコミュニケーションを踏まえた決定ができるようになります。
- ブレインストーミングセッションは、さまざまな方向性について幅広く考える時間です。早い段階で選択肢を狭めてしまうようなフィードバックは、プロジェクトの可能性も狭めてしまいます。
- 初期のコンセプト段階では、オープンなマインドが必要です。リサーチやデータを使って選択肢を絞り込むフィードバックは、プロジェクトを確実にワイヤーフレームへ移行させる場合に有効です。
- 製品レビュー中のフィードバックでは、製品の目的やビジネス目標に合致しているかどうかを確認します。
- デザインの批評は、デザイナーがチームからUXやビジュアルの本質的なアイデアを引き出すプロセスで、製品間の一貫性確保に有効です。
- プロトタイプでは、ユーザビリティとアニメーションに関するフィードバックが求められます。
- ハイフィディリティデザインには、デザイナーの視点を補強するような細部の厳密な検証が必要です。
- 最終的なデザインを納品する際には、デザイナーはすべての基本部分がカバーされているかどうか、さらに注意が必要なフローやユースケースがあるかどうかをチェックします。
こうした段階で意見を求める場合、どのようなフィードバックをもらうと嬉しいかを大まかに説明することで、焦点を絞り、期待値を設定することができます。
Figmaデザインチームのツールベルトから6つの批評方法を試してみてください。
文化を変える
オープンで協力的なプロセスを取り入れるチームが以前より増えていますが、それでも「文化は一日にして成らず」です。「会社全体の考え方を、個人単位の貢献ではなく、コラボレーションを第一とする考え方に移行するためには、数年かけて文化を変えていく必要があります」と、マイクロソフトのデザイン&リサーチ担当コーポレートバイスプレジデント、Jon Friedman氏は言います。自分の会社が目標を達成するまでのどの段階にあるかを理解し、常にチーメイトと向き合うことが重要です。例えば、協調性の高い企業文化の場合、会社はチーム間での仕事の共有を促進し、オープンな議論のためにSlackの公開チャンネルを推奨しているかもしれません。
- 目標達成の初期段階にあるチームの場合、コンテキスト設定を増やすことで、フィードバックを目標に近づけやすくなります。プロジェクトを進める中で過去のつまずきを回避するため、早い段階で頻繁に大切な会話をするべきです。フィードバックを与える側と受け取る側の関係にはリアルタイムに考慮する必要がありますが、最初はそれが面倒に思えても問題ありません。
- フィードバック文化の確立がもっと進んでいるチームの場合は、すでに機能している確立されたチャネルを通じて直接的なアプローチを試してください。
コラボレーションの成功を生み出す要因に関するレポートの全文をご覧ください。

時刻を考慮する
共同プロジェクトの新しいアイデアを午前5時30分にもらいたいと思う人はいません。チームメイトは異なる時間帯で働いているかもしれませんし、フィードバックを受け取りたいタイミングについても一人ひとり異なるでしょう。全員の時間とエネルギーを尊重し、チームのスケジュールを把握するようにしてください。そして、自分自身の最適な働き方も見つけるようにします。ちょっとしたコミュニケーションとお互いへの配慮が大切なのです。
複数のタイムゾーンにわたるフィードバックと連携をどのように調整するかについて、デザインリーダー達の考えを学びましょう。
適切な場所を選ぶ
適切な状況とチャンネルを見つけることも重要です
Slack経由で家族にパーティーの招待状を送信したり、隣の部屋のパートナーをメールで夕食に誘う人はいないでしょう。職場でのフィードバックには、状況や習慣にも注意が必要です。チームがどこでどのように働くかに合わせて最適なプロセスを確立し、全員が常に最新情報を把握できるようにしましょう。
グループに気を配る
各種ソーシャルネットワークに満ち溢れた世界では、公私の境界線が曖昧になりがちです。しかし、フィードバックに関しては、グループのダイナミクスを理解することで、沈黙した部屋を活気に満ちた実りある議論の場へと変えられます。誰から、あるいは何名からフィードバックを得るかを検討し、グループを最もよくサポートする手段を選択してください。
- FigJamやグループメールのようなパブリックフォーラムでは、チームとして、きめ細かい重要なフィードバックを提供することに抵抗を感じるかもしれません。しかし、共有媒体上なら、生産的な方法でお互いの考えを発展させることができます。パブリックフォーラムは、サポートや賞賛などのちょっとした声を集めるのに最適な場所でもあります。
- 電子メール、音声ファイル、チャットなどのプライベートフォーラムでは、チーム内で快適に、長く詳細なフィードバックを提供できるかもしれません。建設的なフィードバックは、通常、1対1で提供した方が効果的です。

電話(またはウェブカメラ)を使う
チームメイト全員が異なるスケジュールで動いている場合、電子メールなどの非同期チャネルを通じてすべてのフィードバックを集めがちです。しかし、私たちは社交的な生き物であり、効率性や人間関係の構築という点ではリアルタイムコミュニケーションに勝るものはありません。誤解や不必要な困惑を防ぐために、機密性の高いフィードバックはリアルタイムのプライベートチャネルを通じて伝えるようにしてください。
(学習)曲線を平坦化する
チームがフィードバックに慣れるための重要なステップの1つは、部門を超えて参加できるツールを選ぶことです。FigJamの気軽な機能、例えば「カーソルチャット、絵文字、ステッカーなどはすべて、人びとが自然に自分自身を表現できる方法です」とFigmaの最高製品責任者、山下祐樹は言います。しかし、チームが新しいツールを採用するには、たとえそれが完璧に適合するものであっても、精神的なエネルギーが必要です。ツールに詳しい人が同僚にその機能を説明すれば、フィードバックの期限前に全員が共通認識を持つことができます。早い段階でのちょっとした努力で、後々の労力を大きく削減できるのです。
GoogleのJennifer Daniel氏がちょっとしたデジタルツールを利用したチーム間のコミュニケーションの活性化について語っています。ぜひご覧ください。
適切な贈り物にする
フィードバックを適切にパッケージングすることも、メッセージの伝達には重要です
ギフトで重要なのは思いだけではありません。フィードバックの意図を丁寧に選んで美しく包むことはできませんが、思いだけでは伝わらないのはフィードバックも同様です。フィードバックを与える側も受け取る側も、どのようなフィードバックがその時に生産的であるかを考慮し、それに応じて要求をまとめ上げ、伝達することが必要です。

ウィッシュリストを作成する
チームメイトの声を聞くのは楽しいかもしれませんが、すべてのフィードバックが役立つわけではありません。フィードバックを求めるときは、プロジェクトを次のステップに進めるために何が必要か明確に伝える責任も伴います。自分が求めているフィードバックの目的を理解しているなら、自分への励ましを求めてもかまいません。次のスターターリストから選択するか、独自のリストを追加してください。
- コンセプト生成のための新しいアイデア集
- アイデアの絞り込み支援
- アイデアを洗練させるためのインサイト精査
- 精査されたコンセプトに対する関係者の賛同
- ギャップ、阻害要因、実現可能性を特定するための専門的見解
- チームからの激励
- 関係者からのサインオフまたは承認
自分が必要としていないことを明記するだけでも、チームメイトからの的外れなフィードバックを防止したり、快適な意見交換の場を確保できます。
大まかな作業を共有して早い段階でフィードバックを得るようにすれば、創造性を損なうことなく仕事を進めることができます。
何が必要かを伝える
最近のテクノロジーの進歩にもかかわらず、チームメイトはまだ相手の心を読むことができません。したがって、自分が何を望んでいるのかを把握するだけでは不十分です。チームにも伝えなければならないのです。自分がどのようなフィードバックを望んでいるか全員が予想できるように、質問を明確にし、ニーズに応じたコミュニケーションチャネルを選択します。例えば、新しいアイデアを生み出したい場合は、リアルタイムのチームミーティングを企画してディスカッションの準備を整えます。一方、簡単な承認を求めている場合は、Slack内のリンクか、明示的な承認リクエストを含む電子メール上のリンクが役に立つでしょう。そして、どんな役職の人にかかわってもらうかを常に念頭に置いてください。例えば、幹部レベルのステークホルダーは親しいチームメイトに比べ、多くのコンテキストを必要とし、場合によってはもっと公式な形の要求が求められます。
実用性の高いフィードバックをこちらで学べます。
相手が望むものを与える
最高のギフトとは、相手がウィッシュリストに加えていたものです。チームメイトが特定のタイプのフィードバックを求めてきたら、それには理由があるという前提で、そのリクエストに合わせて考えるようにします。もちろん、それ以上のものを与えたいときもあります。チームメイトに伝えるべき以上のフィードバックがある場合は、できる限り敬意を持って提供することです。たとえそのギフトにメリットがあるとしても、サプライズを好まない人もいるからです。
そう、そして . . .!
このフィードバックギフトガイドが、製品のローンチやチームコラボレーションの一助となることを願っています。ただし、会社、チーム、個人はそれぞれ異なるということを忘れないでください。チョコレートは2月の代表的な贈り物かもしれませんが、パートナーが乳製品アレルギーである場合、適切なギフトとは言えません。コラボレーションを成功させるには、チームの全員が慣れ、失敗から学ぶ必要があります。そして、優れたフィードバックの文化を構築するには、即興性とパーソナライゼーションが必要です。適切なタイミングで適切なツールを使用して適切なフィードバックを提供することで、私たち全員が真に必要とするものを手に入れることができるからです。



